そういう意味で、「オーマンディ=フィラデルフィア」「カラヤン=ベルリン・フィル」と並び称されることもあったこのコンビですが、「フィラデルフィア管弦楽団に生涯の大部分を費やして後任の音楽監督まで探した上で円満勇退」という、正に「オーケストラ・マン」として生涯を終えたオーマンディと、「ベルリンを拠点としつつも、それに専念・縛られることを望まず、様々なプロジェクトを立ち上げ自身の夢を追いかけ、最後は自らベルリンの『終身指揮者』を喧嘩別れのような形で手放しつつ、亡くなるまで新しいプロジェクトに邁進しようとした」カラヤンとは、実に対照的と言わざるを得ませんねえ・・・
両コンビはともに多くの録音を遺しておりますが、「オーマンディ=フィラデルフィア」の場合は定期演奏会等のコンサートの後で録音(アメリカのオーケストラ録音は「レコード会社経費節減」の為、このような手法が多かったようです)するのに対して、「カラヤン=ベルリン・フィル」(ベルリン以外もでしょうが)の場合はレコーディング・セッションがコンサートの「リハーサル」を兼ねており、こちらは逆に「楽団の経費節減」(「リハーサル」経費はレコード会社が負担)をも目的としていたようです。
どちらが「録音」という成果物に対して良いのかは単純に比較も評価も出来ませんが、ジョン・カルショーが自伝(
「レコードはまっすぐに」(原題:Putting the Record Straight) 山崎 浩太郎 (翻訳) 学習研究社 2005年4月)で興味深いことを語っています。当時、アーティストのレコード会社との「専属契約」が強固なもので、「理想的な」配役のオペラ録音が出来ない状況を憂い、こんな提案をしてます。
・・・複数のレコード会社が「専属契約」しているアーティストを持ち寄り、歌劇場と協力して出資(リハーサル費用等)した上でオペラを上演し、その上演終了後、そのキャストでレコーディングし、その録音はアーティストを持ち寄った各社が発売する。理想的な配役でのオペラ・レコーディングが可能であり、セッション参加のキャストは舞台の経験も録音に活かせる・・・
そういう意味では、コンサートの「リハーサル」の結果としてのレコードより、コンサート後のレコーディング・セッションによる録音の方が良さそうな感じがしますね・・・
閑話休題
オーマンディがフィラデルフィア管弦楽団音楽監督を勇退しムーティにバトンタッチしたその翌年の1981年、"The Fabulous Philadelphians:From Ormandy to Muti, five consecutive monthly television specials"という番組が制作され、フィラデルフィアの
WHYY-TV(アメリカの
PBS)とWUHY-91FMで放送されています。
"The Fabulous Philadelphians:From Ormandy to Muti,"
five consecutive monthly television specials
放送日 番組タイトル
2/25 "Transition"
3/25 "Recording Session"
4/22 "Requiem"
5/27 "Ormandy and Dylana Jenson"
6/17 "Muti and Alicia de Larrocha"
番組の存在は知っていましたが、これまで観る事が出来ずに悶々としていました・・・が、ひょんなことからこのプログラムの一部 4回目の"Ormandy and Dylana Jenson" を観る事が出来ました。しかも、フィラデルフィア名所案内のようなオープニングには当時の楽団員まで出演していて、びっくりしました。
ヴァイオリニストの
Dylana Jenson さんが
Youtube
セコメントをする