今年はオーマンディ没後30周年ということで、毎年の恒例?となった、タワレコの「オーマンディ降臨」企画です。
タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第9期 第II回
流石に初CD化音源は少なくなってきましたが、良く練られた企画かと思います。価格面では輸入盤とは勝負になりませんが、オリジナルLP収録曲目を再現したり、フィラデルフィア管弦楽団と音楽監督(ネゼ=セガン)の最近のエピソードを盛り込んだブックレットの内容は一読の価値があり、これは輸入盤には無い魅力かと・・・
◎
SICC-1951 Rhapsodies
リスト:
ハンガリー狂詩曲第2番ハ短調
ハンガリー狂詩曲第1番ヘ短調
エネスコ:
ルーマニア狂詩曲第1番イ長調作品11の1
ルーマニア狂詩曲第2番ニ長調作品11の2
アルフェーン:スウェーデン狂詩曲第1番「真夏の徹夜祭」
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
「・・・グラスを手にヴァイオリンに耳を傾ける女性を配したジャケット・デザイン・・・」 LP・CD時代を含め、このオリジナル・ジャケットが日本で出たのは今回が初めてではないだろうか。初出当時、このデザインで日本盤を出したら、恐らく(真面目な)日本のクラシックファンから総スカンを喰らったであろうと思われる、いかにも当時のアメリカのジャケットデザインとも言える・・・かな?
実は、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」とエネスコの「ルーマニア狂詩曲第1番」は、
ストコフスキのRCA Victor LIVING STEREO盤「Rhapsodies」(実際は、国内廉価盤Lpで聴いたのが最初ですが・・・) の強烈演奏が初体験なので、こればかりはオーマンディ&フィラデルフィアの演奏とも言えども、マイ・ベストにはならないのだ・・・最初聴いたときは、端整ではあるけど、ストコフスキのダイナミズム溢れる演奏には及ばないなあ・・・なんて思ったけど、今聴き直すと、これはこれでマエストロの音楽性が良く出ていて微笑ましくなる。
ハンガリー出身とは言え、若くして祖国を離れて数十年・・・いくら出身地とは言えども、地元のロマに音楽を習ったわけでも無いだろうし、私達「外国人」が漠然とイメージする「本場モノ」を期待するのはどうかなあ・・・という気がする。(日本人なら、日本の民謡くらい歌えるだろう・・・なんて外国人に言われたら・・・と想像して頂ければ、ワタシの言っていることのイメージをご理解頂けるかと・・・)
ま、そんなことはどうでもいいことで、素直に耳を傾けると、これはこれでなかなか良いんじゃないかな・・・と、最近は思えるようになってきた次第。
◎
SICC-1952 Holiday for Orchestra! (オーケストラの休日)
CD創世記の1980年代前半、同じタイトルのCDがCBS/SONYから発売されている。「CDによる初のベスト・クラシック100」とあり、当時のCDとしては\3,000(悪税無し)と価格を抑えての発売だったと記憶している。
恐らく、国内盤LPのジャケットデザインとカップリング+αでCD化したものと思われるが、その国内盤LPが既に米オリジナル盤と異なるジャケットデザインとカップリングだったのだろう・・・米オリジナル盤の企画や意図は殆ど考慮されず、親しみやすいがちょっと変わった「オーケストラ名曲集」くらいのコンセプトで日本盤として再構成された・・・というところだろうか。
・・・今回のオリジナルジャケットデザインとカップリングによるCD化により、「フィラデルフィア管弦楽団の機能をデモ」するという当初のアルバムの意図が、日本のリスナーにも正しく?伝わることになったと言える。
ベンジャミン「ジャマイカン・ルンバ」を聴くと「サロンパス」のCMソングを思い出してしまうのはワタシだけであろうか・・・
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